【準備期】
 この準備期は,最終の目標達成のためには非常に重要な時期である。また,この時期は,より厳密にいえば一般的準備期と特別準備期の2つにわけられる。
 <一般的準備期>
 この時期は,一般的な体力の要素が中心となり,筋力,持久力,スピード,柔軟性などのトレーニングは,そのトレーニングだけではなく技術トレーニングと合わせて実施することが望ましい。近
年は,体カトレーニングだけを単独で行うのではなく,技術・戦術的トレーニングと切り離さずに考えて実施すべきである。
 また,この時期は,体力的なトレーニングと技術・戦術的トレーニングの割合は2:1程度が望ましく,この時期の終わり頃は質を重視して量は少なめにする。
 <特別準備期>
 この時期は,これまでの一般的な体力要素のトレーニングから,専門的な要素のトレーニングと,試合をめざしての技術・戦術的トレーニングが中心となる。さらにトレーニングの中にゲームも取
り入れ,ゲームという精神的・体力的なプレッシャーの中で,選手はゲーム感覚(ゲーム運び),精神的な安定,突発的な状況変化に対する対応を身につけていき、監督・コーチは,ゲーム管理や選手のいろいろな変化などチームの現状を把握す る。トレーニング強度は,量も負荷も増えてくる。 この時期の終わりには,体力的なトレーニングと技術・戦術的トレーニングの割合は,1:2もしくは1:3程度となる。

【試合期】
 この時期での最も大きな課題は,試合に向けてトレーニングすることも大切であるが,その試合をするために,これまでに作り上げたコンディションを維持させることである。
 特に,リーグ戦形式で1ヵ月以上も試合がある期間や,2〜3ヵ月の間に大きな大会が重なるような場合には注意しなければならない。そのために,休息期とトレーニングをよく考え,極力疲労
を残さないように,質を重んじるトレーニングを考えることである。
 また,この時期は,次の対戦相手を考えて戦術的に対応できるトレーニングを週間単位で計画したり,前のゲームから自分のチームの現状を考えて修正したり,次の目標への新しい課題を取り入
れたりという,゛観察″や゛先取り″もコーチにって必要な時期である。

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