基本の考え方ですが、今後は基本という概念を、広げて、戦術、作戦まで広げた大きな視点てとらえ、それぞれに基本があると考えた方が、技術と同様に戦術まで指導が及び、ボールゲーム本来の競技力の習得が出来ると考えられます。

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8.日本のゲームイメージを実現させるための7項目

前述した日本が目指すハンドボールイメージを実現させるために、個人とチームの育成に関して7項目をあげてみた。

個人の育成に関して

チームの育成としては

これらの要素は体力、技術、戦術、作戦など、ゲームのすべての要素を網羅しています。大事なことは日本が目指すハンドボールとは世界からみれば日本がとことん突き詰めた結果表現される個性あるハンドボールなのです。
 成果を得るのに近道はなく、まず正攻法で基本的なことを徹底して身に付けていけば自然と日本の特徴が生かされたハンドボールが創出されるはずです。

1俊敏な足さばきと身のこなし

形態的にヨーロッパの選手とは民族的な壁があり、追い抜くことは困難ですが、身のこなしやフットワークは、日本人の器用さや身体的特徴から、この面では多いに力を発揮できるはずです。
 ハンドボールは攻撃ではいかにスペースを作り防御ではそれをさせないかです。約22mのゴールエリアラインもいくら大きなプレーヤーが手を広げて並んでもその半分も埋め尽くせません。上から突破できなくても、この平面をいっぱい使って攻撃しスペースを作り出す事は、素早い足さばきと身のこなしを基本とした攻撃法があればできることです。
 50m走を6.5秒で走れる選手が、コートの中で6.5秒という走りを瞬時に出せば、すごいスピードです。しかしそのスピードをコントロールする足さばきと身のこなしがない限り、そのスピードは発揮されることはありません。ハンドボールは対応動作であり、相手との間合いを常に変化しながら攻防を行わなければなりません。大型のダンプカーがスピードを出せば、小刻みにその動きを変化することはできないが、小型のジープならスピードを上手にコントロールし巧みに変化していくことができます。俊敏なフットワークは、水平方向と垂直方向の移動の速さとその変化です。水平方向では走力が垂直方向はジャンプカがその主なものとして関係します。
 走力については各種の移動のしかた、最高速度を出す走り方、急激な速度を出す走り、そして何よりもそれをコントロールするストップや方向変換などの要素と体力的な要素が必要です。ジャンプカについても、各種のジャンプの仕方や高さや幅を最大にする跳び方など最大能力とそのコントロールカが必要です。
 これらの能力は、攻防技術の土台として発揮されるものであり、ジュニアのうちから育成していかなければならないものです。興味を持って、自然のうちに身につくようトレーニングに工夫を加えていく必要があります。

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(参考資料)
2016リオ・オリンピックにおけるハンドボール男女出場選手の チーム別に見た身長、国際試合出場回数等について
2013男子・女子世界選手権大会出場選手の国別、成績別身長・体重について

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