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いての記述にある隠語や比喩語は,シュート運動の形やシュートコースのみならず,大切な機能を内包していると考えられるので,技術抽出において重要な資料となろう。さらに自己観察の意味を拡大解釈したことは,先取が基になるキーパーとシューター両者のかけひきをみる上で有効であった。この先取は,運動技術の運動経過的反映の正確な先取を含んでいるという点において,運動技術とかかわりをもってくる。この実験において,A.は未熟であるにもかか,わらず,1年間の自己観察の訓練のためか,他の2人よりも記述が鮮明であるのをみれば,項目の出し方や説明の仕方ばかりでなく,訓練のさせ方が問題になろう。又,被験者は,指定された項目では記述しにくいと語っていた。

他者観察法については,以下のような資料が得られた(資料⑦-2)。まず,運動技術的徴表の比較は,被験者に明瞭な運動形態的課題を与

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