技と区別する必要がある。又,技というものは,運動経過そのものに課題をもつがゆえに,絶えず技術開発に支えられ,生成発展するという過程性を内包的に持つ。7)たとえば,日本では,昭和32年に7人制ハンドボールにおいて,ゴールエリア上に跳び上ってのシュートが正式に認められて以来,それ以前より多くのシュートという技が現場で発生し,様々な観点から表記されて来た(資料①)。

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oシュート運動の表記については,以下の文献からピックアップした。 

  • 1.ゲルマネスク,I.K.,中村一夫訳:ハンドボールの技術と戦術,ベースボール・アガジン,1981.  
  • 2.石井喜八他:写真と図解によるハンドボール,大修館,1976.  
  • 3.Käsler,H.:Handball,Kar1 Hofmann 7060 Schorndolf,Stuttgart,1976.  
  • 4.難波俊夫他:ハンドボールハンドブック,遊戯社,1979 .  
  • 5.高鳴 洌:ハンドボール・技術と作戦,杏林新書,1971 .  
  • 6.竹野奉昭:ハンドボール,講談社,1971  
  • 7.宇津野年一:ハンドボール教本,ベースボール・マガジン,1966.  
  • 8.宇津野年ー:最新ハンドボール技術<攻撃編>,ベースボール・マガジン,1977.

我々は,これらの経験的に語られてきた技の成り立ちを実証的に明らかにすると同時に,それを現前させる技術を抽出する必要がある。すなわち,技の機能面である技術は,マイネルがいうように,実践の中で発見され,検証され,改善されてきた8)ことを知れば,この一連の発展過程の中で,各人の経験財を集め,整理し,そして一般的なものを抽出

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