実験の結果,S.に関しては,3回の実施とも他の2人とは異なる技をさばいているので比較はできなかった。これは,既存の「ジャンプシュート」という表記では技の課題性を表わしきれないためこのような結果になったと考えられる。又,シューターの後方から撮影したので,対応関係はある程度把握できたが,局面構造などは詳細に分析できなかった。それゆえ,3者を比較するための正確な考察資料はとれなかった。A.は,実験の条件設定(ラインテープ)を多少気にしていたが,位置どりの運動経過や投そのもののさばき方については,3回の実施とも,やはりA.よりも0.とS.の方が熟練性を示すと考えられるなめらかなさばき方やかけひきの徴表が感得された。

以上のように,詳細な分析はできなかったが,とらえ方を検討するための資料が得られた。自己観察法については,不十分ながらさばき方や先取りについて興味ある記述がみられた(資料⑦−1)。特に,投の主要局面のさばき方につ

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