Ⅰ はじめに

第14回ハンドボール研究集会では、これまで研究集会を支えてきた学校体育ハンドボール検討専門委員会の歩みについて述べさせていただきました。そして、14年間の研究・実践報告と授業提案の全体の内容を、ビデオ編集を交えて整理することによって、系統的指導についての私見に触れさせていただきました。

専門委員会の歩みと研究・実践報告の内容の傾向については、近く刊行予定の(財)日本ハンドボール協会75周年記念誌をご覧下さい。ここでは、特に授業提案において、各授業単元で目指されたメインゲームの教材づくりの仕方と問題点、そして方向性を明らかにしながら、系統的指導のあり方について検討してみます。

その際、まず最近の小学校の学習指導要領(以下、指導要領と記す)の内容の変遷にみられる基本的な考え方を明らかにしておきたいと思います。何故ならば、授業単元で目指されるメインゲームの教材づくりには、指導要領に準拠した上での教師の教材解釈が色濃く反映されていると思われるからです。

さらに、今まで筆者には確信が持てなかった小学校低学年における教材づくりについて、自身の指導実践例を提示し、分析することによって、系統的指導に関する一つの提案ができればと思います。

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