化できる能力(伝導化能力)を確認できることが大切となる⑲。

我々はこれまでの実践から、捻り戻す感じでボールに勢いを伝導化できる能力を生むためにこそ、「投げようとする」意識に力点をおいて局面化できる能力の発生を重視するものである。

4「トルネード投げ」の創作とその指導

投げかたを伝える際に、私のコツを構成する時の統覚作用を助けるのが、運動感覚アナロゴンである。筆者は、手が小さく指も短いので、最初はうまく投げられなかった。この体験から、うまく投げる感じを導き出すために、添い手を使うなど、いくつかの運動感覚アナロゴンを探し出してきた。また、力強く投げられない多くの初心者を指導してきた体験もある。いずれの体験に照らしても、つまずきの端緒は、「投げようとする」場面にある。これらの問題を解決するために、ショルダースローの初歩的段階の練習法として「トルネード投げ」を創作した。

■練習法

我々のコツを伝えるために、目標投げを中心に、自分に合ったスピードで次の練習を行わせる。ボールの大きさや重さにはあまりこだわらない。

①正面を向いて両足を肩幅に開いて立ち、両手でもったボールを頭の後方にもっていき、上体を反らせてから投げる(からだ全体をムチのように使う感じ。両ひじを使う。画像3)。

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②右手で投げる場合、①と同じスタンスで、上体を反らせたまま右側に捻った体勢からボールを投げ下ろす(上体の捻り戻しを利用して、自然に右腕を振り下ろす感じ)。

③同じ体勢から、左足を前に踏み出してから、右手でボールを投げ下ろす(画像4)。

46-2p

④①と同じスタンスで、目の高さに両手でボールを持ち、右に上体を十分捻って反らせた体勢から右手でボールを投げ下ろす(左の添い手でボールを上に押し上げる感じ。ボールの後ろに添えた右手の親指と小指でボールを支える感じ。上体の捻り戻しを利用して、自然に腕を振り下ろす感じ)。

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