大西武三
寝屋川高校ハンドボール部60周年おめでとうございます。 寝屋川高校でハンドボールを始めて38 年になるが、我々が坊主頭でハンドボールをやっていた頃と、今ではどのように発展してきているのだろうか。 ハンドボールは見なくても、自分の子供を通して他のスポーツを、あちらこちらで見られていることと思う。ハンドボールが他のスポーツと違って特別な変化・発展をしているわけでなく、同じような状況である。
経済的に豊かになるにしたがって、スポーツにも目を向ける余裕ができ、商業的に利用されたり、自治体が国際化や、"町おこし″に用いたり、また選手はプロ化の道を歩むようになってきている。
オリンピックを狙うためには、仕事をしながらでは、また個人では難しく、組織的・専門的にやっていかなければなら ない時代である。ハンドボールもまだアマチュアの匂いは残しているが、それに近い状況である。 また日本という垣根は取り払われ、世 界のトッププレーヤーがアジアやヨーロッパから来て日本リーグでプレイしている時代でもある。
今年もフランスから世界を代表する二人の選手が来日し、活躍している。 一昔前は、熱心で優秀な指導者がいれば、ロ本一になることも夢でなく、全チームが頂点に直接つながるピラミッドの一員であり、同じ土壌での競争であったように思う。それが、チャンピオンを目指すチームと、ハンドボールを楽しむ( ? ) チームとに分かれ徐々に底辺と頂点に断層ができ遊離してきた。 このことは、頂点を目指すには、熱心な指導者の存在だけでなく、特別な強化のための環境が必要であることを示している。
どのチームもがその環境を望むことは不可能なことであり、高校でいえば優秀なプレーヤーを獲得し、恵まれた環境の中でチャンピオンを目指すチームとそうでないチームの二極分化が明白になってきた。
関東の1、2部の大学チームは、いわるハンドボールの名門から入学した人でしめられている。わが大学でも、近年は大学からハンドボールを始める人は皆無で、ほとんどが中学、高校の経験者である。中には小学生からの経験者もいるくらいである。
ハンドボールに長い間どっぷりと浸かりながら、指導者として、協会の役員として結末をいまだに見いだせず、足を洗いきれない私である。日本のハンドボーの現状と課題という荷の重い題目を頂き、筆の進まない今日この頃であるが、日頃、思っていることを書いてみたいと思う。
いつの時代も日本のハンドボールを取り巻く課題は、次の3つである。
これらの課題を解決するために、関係者が各方面で努力して来たわけだか、これといった決定打がなく、いつの日かメジャーにと思いつつ甘んじているのが、現状である。 では、この3つについて現状を踏まえつつ、その解決のために、どのようなことがなされてきたのかを、思いっくままに書いてみたいと思う。