大西武三
現在ハンドボールの登録チーム数は約4,300、登録競技人口は約7万4000人(登録していないチームが結構あるので約10万人はいると推定している)である。
図1は、その構成を示したものである。
ハンドボールが学齢期のスポーツだと言われるが、その83パーセントが学校関係で占められており、一般とリージョナル ( 道府県内での大会参加 )は16パーセントである。ハンドボール競技の人口を他のスポーツと比較したものが、図2である。 (野球は高体連に加盟していない )
ボールゲームの競技人口が多いのが目立つが、バスケット、バレー、サッカー、ソフト、バドミントンなどに大きく引きはなされて残念である。それでも46種目中12位であり、まずまずの位置と考えることもできる。
ハンドボールに限らず、スポーツ人口は減少してきている。大阪の 高校チームの登録数をみても、この5年で、男子104チーム1,677人、女子72チーム984人から男子72チーム860人、女子59チーム610人と男女で45チーム1,191人も減少し、1チームの人数も14.4人から11.4人に減少している。比率にしてチームが26パーセント、競技人口が41パーセント減少しているのが実情で心細い限りであり、何とかしなければという思いは切実である。
ハンドボールが多くの人々に親しまれるスポーツになるためには、いろんな層に入り込むことが必要である。学校活動から社会活動まで、小学生からマスターズまで、健常者から障害者まで、競技スポーツから生涯スポーツまでと多様化した現代の状況に適応していくことが必要である。
マスターズ大会、小学生大会、車イス大会、ビーチハンドボール大会等が近年新たに普及しだしているのは、その現れでもあり、今後発展していかなければならない分野である。
また、私が今力をいれているのは、小学校への指導要領の種目としての採用である。中学以上では、指導要領に入っていて、やろうとすればできる状況である。しかし、これほど体育的に見ても、競技の自由度の高さから見ても、小学生向きの競技であるにもかかわらず、教材として採用されておらず、歯痒い思いをしている。
学校体育の中での普及に加えて、今地域の中でのスポーッ活動が大きな意味を持つ時代になってきている。競技スポーツとしてのハンドボールだけでなく、生涯に渡って、ハンドボールを通して、豊かな人生を送っていける環境作りが求められている。
寝屋川クラブのように、卒業後もハンドボールを愛好し、生涯それを通して人生を豊かにしていくことは、本当に素晴らしいことである。80歳、90歳になってもハンドボールに親しんでほしいと思う。どの高校も寝屋川高校のようであれば、ハンドボールは普及し地域に根差すスポーツ文化になると思う。
週に1~2度は運動をしたいと思っていても、それを実現できるクラブはまずない。試合に出るための活動から、日ごろの生活の中でスポーツを楽しむクラブになっていくことが、今後は必要なことである。寝屋川クラブも、大人を主体としたクラブから、小学生、中学生を含み、家族ぐるみで参加でき、週に一度くらい会員が三々五々集まって活動するクラブになれば、素晴らしいと思う。
私の町つくば市も、10数年のスポーツ少年団の活動の末、今年より、中学生、大人を含むクラブが新たにでき、第2、第4土曜日は、ハンドボール初心者の大人と少年団卒業生の中高校生がハンドボールを楽しんでいる。将来的には各市町村に小学生から大人までのチームができ、ハンドボールが日本中で親しまれるスポーツとして普及してくれることが、私の願いである。