ロ.フォーム

・しなりとその返し

スピードボールを投げる人の フォームをみると,身体が,弓のようにしなりそしてエビのように返る様を見ることができる。また身体がしならなくても,上体のしなりや腕のしなりを使って投げていることがわかる。

なぜしなればスピードが出るのかは,しなる棒としならない棒の振り回したときの状態を考えてみると容易に理解ができる。しならない棒の場合は,元を動かしたスピードによって先端のスピードは決まってくる。ところがしなる棒では……図30のように棒をいくつかの関節によってしなると考えた場合(実際には,身体の多くの関節によって滑らかにしなると考えられるのであるが)もとのAを動かしたとき,先端EはAのスピードに応じて動かず,図のようにしなった状態となる。この結果,しなりが返る過程においてBは,Aのスピードに上乗せしたかたちでより大きなスピードを生み,Cは,さらにBのスピードの上により大きなスピードを重ねていくといったぐあいに,スピードにスピードを重ねていく状態がつくられる。 次ページに続く

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