この状態は図31のように表わ すことができる。77-z2身体も,同様にひとつしなる棒と考えることができる。動き方は違っているが,スピードの上にスピードを重ねていくという原理は同じである。Aを腰,Bを上体,Cを上腕Dを前腕,Eを手と考えれば,腰を回転させながら移動させ,スピードの乗ったところで上体を動かせば,その時点の身体の状態はしなりの状態である(図32)。そして,返す過程の中で順次スピードを重ねていくことになる。78-z1  身体はひとつの棒ではないために,この「しなり」を作りその「返し」を行うために,他の部分がうまくバランスをとりながら動かされる。スピードをつけるためにはこのような過程の中で,各部分をいかに速く動かすかが問題である。筋のパワーはその点において,身体の動かし方と同様にスピードを生み出す絶対的な条件である。

・バックスイングと深さ

ボールにスピードを加えるためには,ボールに力を加えることのできる距離が必要である。そのためにバックスイングを後方に十分引きボールに力を加えられる距離を長くとるようにする。

 ハ.パワー

 スピードをうまく出せるフォームが整えば,いかにその動きを速く行え るかである。動きの速さは筋パワーによって規定される。

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