技術と体力をともに伸ばすトレーニングは?

技術的なものが完成されているならば、技術をより有効的なものとするために、技術を支える体力的な基盤をトレーニングによって大きくします。しかし技術的なものが未熟であるならば、技術も体力もともに伸ばすことを考える必要があります。

最近は、トレーニングの発達にともなって技術と体力のトレーニングを別々に行って、後にその融合を図ろうとする傾向にありますが、技術が未熟であるような場合には、体力トレーニングが技術に結びつかないといった例が見受けられますので、技術と体力とをともに伸ばすトレーニングを考えることが必要です。

例えば、シュートにおける技術と体力の問題をとらえて、シュートの体力、技術を伸ばすトレーニングを考えてみます。技術については、前述した通りフォームの問題やディフェンス、ゴールキーパーの外し方など各種の問題がありますが、それにかかわる体力的要因としては、ジャンプ力、ディフェンスに手を押えられてもシュートできるパワー、ボールにスピードをつけるパワーやスピードなどの体力的要因をあげることができます。

次にそのための練習法を述べてみます。

(1)シュートのジャンプ力をつけるトレーニング法

〔練習方法1〕打点を高くする項にてのトレーニング法参照。

〔練習方法2〕図1のように三つの輪を置くか、ラインで円を描き、ボールを持って三段跳のように円の中に着地して跳び、最後にシュートする。

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〔練習方法3〕図2のように、円を二個描き、①の場所からスタートして、②の円で踏み切り、③の円に着地するようにサイドシュートする。②の円で走りの方向とは異なった方向ヘジャンプしながらシュートする トレーニング。

〔練習方法4〕滞空時間を長くするドリルで、図3のように円を一つ用意する。円は能力に応じてできるだけ踏み切り位置より、遠くにし、シュート直後に円に落ちるようにする。

(2)ボールにスピードをつけるトレー二ング法

〔練習方法〕図4のように二〇メートルくらい離れてシュートする。ゴールは二個並べるとよい。キーパーのトレーニングにもよい。

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(3)シュートに.パワーをつけるトレーニング法

〔練習方法1〕図5のように、一方では腰に腕をまきつけて、シューターを押える。シューターは引きづっていってシュートする。

〔練習方法2〕二人組になり、一人はスタンデイングでシュートする。その際、片方は腕のつけ根や肘を押えてやり負荷をかける。以上、シュートにおける技術的要素と体力的要素を加味した練習法を紹介しましたが、同様にして考えれば、技術的な練習の中で体力トレーニングを行うことは可能です。

(大西)

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