スピードボールを投げるためには、どのようなトレーニングをしたらよいか?

スピードボールを投げるのに一番役立つのは、シュートを正しい方法で繰り返し打つことです。しかしそれには限界がありますので、ここでは補強運動として、こんな練習をした結果、力がついてきたということについて答えてみることにします。

(1)正しいフォームで投げることを身につける

基本を忠実にまもり正確なフォームで投げることは、腕や肩に痛みを感じることなく無理がきき、トレーニングも十分にできるので効果があがります。ただ、猛烈なシュートを繰り返すだけでは効果がなく、肩や肘のためによくありません。そこで十分時間をかけて、投球間隔をおき、あまり疲れのない状態で行う方法が賢明です。そして最も大切なことは、同じコースに集中して打つことです。

その理由は未熟なのに打ち分けていると、一定したフォームが身につかないことがあるからです。右利きならば、右四五度から走ってそのまま流して上(キーパーの左上が最も打ちやすいので)を狙い、次に引っ張ってキーパーの右上を同じように狙う。そして十分無理のないフォームが完成してきてから、次のコースへと進めるとまとまったフォームが習得できます。

(2)大いにランニングをすること

ある程度まで技術が向上し、かなりのスピードボールが投げられるようになりますと、なかなか次の段階でスピードが増さないものです。その時は走り込むことが必要で、足腰を鍛えることです。プロ野球の大投手達も、異口同音に、投手で最も大切なのは「長く走ることだ」とはっきりいい切っています。

走り込みが十分な選手は、下半身が安定しボールスピードが増してきます。さらに腰を強くするためには自動車のタイヤを利用して、それを腰にロープでしばりつけてランニングするのもよい方法です。力がつき軽くなったらタイヤの数を増すと効果がありますし、ランニングもスピードの強弱をつけるとよいでしょう。

(3)スナップと腕を強くしよう

自転車のチューブを鉄棒にしばり、シュートあるいはパスモーンヨンで繰り返し引くとよいでしょう。瞬間的に強く引き、すぐに力を抜く、引く力、すなわち投げる力だけを強化するための方法です。それにバーベルや鉄アレイなどを使って連日続けることにより効果があります。〈川上〉

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