特定の選手をマークする場合の方法と考え方は?

特定マンツーマンの方法には種々ありますが、次のような方法をも考えてみましょう。

①完全に一人をマークする型。

②二人を同時にマークする型。

③三人を同時にマークする型。

④ある部分のゾーンに特定の相手が入った時マークする型。

⑤その他。

一人をマークするディフェンスシフトは、一般によく使われる隊形で、どのようなゲームでも、一時的には使う場面がありますので、常にこのことは心掛けておく必要があります。相手のフォーメイションを断ち切る場合、一人のポイントゲッターをどのゾーンに移動しても、ぴったりと完全にマークする方法で他に同じような選手がいない場合は効果的です。

またリードマンをマークすることによって強力なシュートを打つだけのポイントゲッターにパスさせないようにすることもあります。

リードマンとポイントゲッターを、ポイントゲッターの第一エースと第二エースを同時にマークする場合は、二人を前に出してマークします。バックには四人とも長身者で一線の守備を敷きますと、相手にロングシューターがいても相手シュートは両サイドに絞られてきます。この場合キーパーは、どんなことをしてもサイドシュートを取らなければなりません。

三人をマークする方法は、ゴール前で三対三がつくられるので不利になりますし、非常に危険性をはらむので、あまり勧めることはできません。

一流選手がシュートを打つ体勢や、そこに至るまでの動きを分析してみますと無数にあるものではなく、必ず欠点はあるものです。そこでこの動作やこのゾーンに入ったならマークしようという方法も、ディフェンスが乱れない安全な特定マークの方法になります。

これらの方法を一試合中続けてとらず場面によって変化させますと、相手の攻撃を乱すことになり、効果的なディフェンスになると思います。いずれにしても特定マンツーマンを選手はよく理解して、点差が何点の時か、それがリードか、逆か、試合展開を予測しながら勝負に出るべきで、不用意な賭けはさけるべきです。

(川上)

ディフェンスの作戦・戦術目次へ 次ページへ