いろいろなディフェンスシフトの方法と種類は?

防御の第一条件は、相手の攻撃に対してより早く、ディフェンスシフトをつくりあげることです。より早く安定した防御組織をつくり、相手の攻撃に対して積極的に対応する必要があるからです。ディフェンスシフトの考え方は、相手の攻撃の力、あるいはパターンに対して必然的にその方法が変化していかなければなりません。ディフェンスシフトの種類とその方法および特徴について述べてみます。

(1)6−0シフト

図1のように六人の選手が一定の間隔をおいてゴールエリア前に並ぶ方法で、一線防御とも呼ばれています。このディフェンスシフトは、ディフェンスの原型ともいえ、これによって相手のいろいろな攻撃パターンも変わり必然的にディフェンスシフトが変化されてくるのです。各防御者は、前後左右に動き、ボールにアタックしようとして前方にステップしたものに対してフォローアップをしなければなりません。このディフェンスシフトの特徴は次のようなものです。

【長所】

【短所】

このディフェンスシフトは、ゴールエリア前での壁のようなものであり、相手の動きをみていればよいわけですからややもすると、攻撃の自由なパス、あるいは動きを許すことになりますので、的確なステップでパスを受けたものや、シューターに対して、早くアタックすることを忘れてはなりません。

(2)5−1シフト

6−0のシフトに対して、フリースローラインの中央あたりに一名を配置させて守る方法で、二線防御の原型ともいえましょう(図2)。

b2-3z1

前方に位置するものは、相手のロングシュートや中央よりのパスを阻止し、近ずいてくる相手の動きのタイミングを変化させることに役立ちます。したがって、この位置に配置されるものは、チームの中でも、フットワークのすぐれたもので俊敏な動作ができるものが適当です。

後列の五人の中央④に位置するものは、攻撃に対する防御状態をよく把握し、適切な連絡指示のできるものがよく、相手のポストプレーを主として阻止します。

③⑥に位置するものは、相手のロングシュート、ポストプレーなどを阻止します。この位置に配置するものは、前後のフットワークのすぐれたもので、長身者を配置します。両サイドのものは、サイドシュートの阻止と攻撃されていないサイドマンは、相手のシュートと同時に攻撃に移ることができる状態にいなければなりません。このシフトの

特徴をあげてみますと次のようになります。

【長所】

【短所】

5−1のディフェンスは、成員のプレーの個性を生かすことによって配置することが大切です。

(3)4−2シフト

4−2のディフェンスシフトは、5−1のシフトより、もう一人前方に出て守る方法で、二線防御の一種です。前方に出ているものは、ロングシュート、あるいは前二名の方へのパスワークを阻止するとともに動きまわる相手の方向を変化させるために役立つ防御システムです。したがって前方にでている二名のものは、前後左右の連絡が必要とされますので、俊敏でフットワークのうまいものをあてることが大切となります(図3)。

【長所】

【短所】

欠点の中でコンビネーションの必要性をあげていますが、前方に二名の配置をしていますので、サイドからのカットインプレー、反対側四五度からのヵットインプレー、あるいはポストプレーに十分気をつける必要があり、お互いの連絡をとることが大切となります。

(4)3−3シフト

二線防御の一種であり、システムとしてはやや変則的な面があります(図4)。前方に三名を配置し、後方に三名を配置させるシステムとなります。この防御システムの特徴としては、図をみてもわかるように、サイド攻撃に対して弱くなります。

【長所】

【短所】

相手チームにサイド攻撃がない場合や、サイドプレーヤ一に力がない場合には、有効なシステムといえましょう。

b2-3z2

(5)3-2-1システム

5−1システムの変形であり、③、⑥が④よりやや前方にでる型となります。三線防御となり、③、⑥は、ロングシュート、④はポストに入った選手をマークすることを目的とした方法です(図5)。

【長所】

【短所】

このシステムは、やや変則的な方法です。

(渡辺)

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