4長身者ぞろいのチームに対する攻撃法、守備法は?

同じ程度の技術を持ち備えている場合は、長身者が有利なのは当然ですが、身長差が必ずしも戦術的に有利とはいえず、むしろ身長の低い選手の方が、動作がシャープであり、技術的にも秀れている場合が多くあります。理想は、それぞれを組み合わせて、特徴を生かしたチームづくりをすることです。

一流チームには、大きなロングシューターの中に必ず小柄な選手がいて、巧みにコンビネーションを取りながら攻守に活躍している姿をみることができます。

長身者チームと対した時、まず第一に考えることは、相手よりも早く動くことであり、どのゾーンでも、両チームの選手が、入ることのできる競技なので、先にゾーンを占領することです。そして、すべての選手が、オールラウンドのプレーヤーに成長するよう努力することです。

というのは、早く走りながらのフォーメイションの流れの中で、どこで、誰が打つと決めた攻撃法ではなく、相手のあきを狙っていて、開いたところを自由に、どの選手でも打てるような攻撃法を展開します。特に背の低い選手の攻撃は、何回目のパスで誰が打つというフォーメイションはよくありません。

個人技としては一対一をフェイクで抜くことと、横にかわして打つ方法は絶対に必要な技術です。シュートは高さの勝負ができないので、相手ディフェンスの側面をステップで狙うことが有効です。また縦の走り込みと横パス、走る方向と逆へのボールの送りなど、二人あるいは三人でできる攻撃方法の基本を数多く体得しておくことも必要です。

以上の技術が身についていたなら、最後にエリア内を使っての空中戦に持っていけばよいのです。

守備においても同様で、早いつめ、それをすばやくカバーする動き、さらに次の動きを予知してその隊形に備える早い動きの中で、相手フォーメイションを頭脳的に読み取るなどが必要です。背の高い相手のシュートに対して、待っていて高く跳ぶだけでは守備はできず、前に強く出て、さらに鋭く跳ぶより方法はありません。

前につめることによって、シューターは中に踏み込むことができなくなりますし、無理をして入るなら、身体の十分な振りおろしができないためにフォロースルーができず、スピードボールは打てないことになるので、早いつめが有効です。そして一つの決まったディフェンスシフトではなく、一試合で少なくとも二、三回は守備隊形を変えます。場合によっては部分マンツーマン、時にはオールコートプレスまで進めていきたいものです。

(川上)

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