ジャンプシュートの際、バランスがくずれてしまうのはどこが悪いのですか?

バランスがくずれてしまうのは、経験が浅いか間違ったフォームで繰り返し練習したために癖がついてしまったかのいずれかだと思います。実際に投球フォームを見ないと、どこに難点があるのか指摘することは不可能ですが、注意しておきたいいくつかを述べてみます。

ジャンプシュートを鮮かに決める一流選手のフォームを分析してみますと、流れに無理がなく、走り込みから

①キック、②腰の捻り、③振り上げ、④肘の高さ、そしてスナップ

に至るまでが、実に滑かな動きで終始一貫していることがかわります。このような選手達の多くは、動作に無理のないフォームでシュートしています。これは正しいフォームで、長い間反復練習して得た成果です。しかし、ハンドボールを始めて間もない選手でも、正しいフォームを理解し、練習を繰り返すことによって容易に自分なりのフォームを身につけることができます。

人間の動作は、歩くにしても走るにしてもそれぞれ違います。同様にシュートのフォームも個性が出てよいのです。自分なりのフォームということは、一人の一流選手の型に無理にあてはめることではなく無駄なところに力が入り過ぎたり、腰と肩のバランスがくずれたり、打点が低かったり、前傾姿勢になってしまうなどの欠点がないフォームをつくりあげることです。チーム内においては種々のフォームで打つ選手がいる方が理想的です。

2-23p1

シュートフォームを矯正する場合、完全に原因が把握できないかぎり適当に変えることは危険です。場合によっては全然ボールスピードまで無くしてしまう恐れがありますので、十分注意を要する問題です。

基本形としては写真Ⅰのように高く大きく跳び、打点を高く保ちながら大きくバックスイングして強く振り下ろすようなシュートが最もスピードのつく方法です。

それに対して写真Ⅱは跳び方が前に流れ、前傾し過ぎています。しかも最も悪いのは、右腰が回転してしまうために先に右腕も入り、フォームが小さ過ぎます。これでは自分のもっているスピードの半分も出せません。

2-23p2

矯正するにはまず強いキックにより、右腰、右肩を、大きく、強く引くフォームを空間で創る練習をすることです。ちょうど野球の投手がステップを踏んで胸を張り、左肩ごしにキャッチャーを見て大きく右に引いて投げると最大のスピードが出るのと同じです。そのフォームを空間で創ることを頭に入れて下さい。

2-23z1

タァーン、タン、タ、タァーンというリズムの三歩で打つ調子でうまくいかない選手は、最後の一歩のタァーンという調子でジャンプしフォームを創るとよいし、次にもう一歩増すというように後逆りの方法も効果があります。 左図のようなリズムを自分なりに創ると容易に身につくし、上達が早いはずです。

(川上)

シュート目次へ 次ページへ