"日本一をめざして"

      

山口県立下松工業高等学校 吉兼教生

 

楽しく活動できるチーム。何と素晴らしいチームではないでしょうか。楽しく活動できるチームとは,どんなチームでしょうか。それは勝つことを知り,その感動を経験した者。その感動を見たり聞いたりしてそのイメージを知っている者の集団なのではないでしょうか。 

では,勝つために何をすべきなのでしょうか。優秀な選手の獲得,施設(経済面を含む)の充実,指導者の研修機会の拡大の3本柱を実践できればという気がします。しかしながら,本校のような地方の県立高校では,どれも満足するところまで高めることは困難です。情熱だけの未熟な実践例ではありますが,4つに分けて紹介させていただきます。

1.年間計画

チームは8月にあるインターハイを最終の目標としているため,そこがすべてのピークになるように年間計画を立てています。他の予選で敗れたチームは,すでに6月の時点で新チームに切り替えてスタートしていますので,できるだけ早い時期,つまりインターハイ終了をめどに1・2年生の年間計画が始まるわけです。秋にある国体は山口県選抜チームなので,別なものとしてとらえています。 

年間計画は,選手の能力,メンバー構成,学校行事,公式試合の日程などを考慮しながら立てることはよく知られています。現在,山口県では春の選抜大会の県予選で勝つと,公式試合のない月が1月と7月のみという,大変窮屈な日程になっています。 

体づくりの時期,個人技能習得の時期,集団技能習得の時期と大きく3つに分けて考えたいのですが,公式試合が毎月行われるという現状では,はっきりと分けることができません。しかし,公式試合で出てきた課題をもとに,大きく描いた年間計画を,月間計画の単位ではっきりしたものに修正するようにしています。毎年のことなので,これがメリットだと考えられるようになりました。

2.練習への取り組み方 

良い練習の例として,「集中力のある練習」という言葉をよく耳にします。この「集中力のある練習」は2つのタイプに分けられると考えています。1つは指導者のプレッシャーによって受動的に高められたもの,1つは選手の自主的な活動のなかで,目的を追求していく過程で高められたものです。インターハイが近づくにつれてこの割合が後者になっていくことが理想です。では,この自主性をどのような形で育てていくかが指導者の方法論ということになるのですが,本校での実践例をあげてみます。 

自分で考える習慣をつけるということをテーマにしました。まず,朝練習ですが,その内容は生徒に任せています。放課後の練習で個々の見つけた新しい課題を自分たちなりに解決する場にしています。間違っていても,自分たちで考えさせることにしています。そして放課後の練習のときに,そのことについて私が個別にアドバイスしています。 

次に放課後の練習ですが,1分間,2分間,3分間と,気持ちの逃げない程度の休憩を取り入れました。休憩なんか無駄だという考えもあるでしょうが,私の意図は2つあります。1つはこの休憩時間に,個々にあるいはグループで考えたり,話し合ったりという作業をしてもらいたいということ。もう1つは,次の練習への新たな集中力を生む文字どおりの休憩です。最初はとまどっていましたが,私の意図が次第に定着した様子で,プレーの反省,次にするプレーの確認など,自主的な面が少しずつ見られるようになってきました。

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