私は,常に速攻のチームを理想としていましたので,守りの大切さを常に感じています。守らない限り攻撃権は得られないし,理想である速攻にもつながらないと思います。春からは,速攻の仕上げとセットオフェンスのコンビネーションの練習に入ります。速攻,セットオフェンスともに,いかにオーバーナンバーを作り出すかを考えさせ,私も考えながら指導しています。1つだけ注意させることは,ディフェンス側の立場に立った時の心理を考えさせ,攻撃につなげさせることです。また,私は,フォーメーションのように形にはめ,最終的にノーマークスペースを作り出すようなプレーはあまり好みませんので,1つ1つのプレーに対し常にシュートを狙わせ,隙あらばシュート,だめでもパス,この繰り返しをさせるようにしています。
中学生にとって総決算である夏の大会を控え,調整期として,最初の基本練習に戻します。というのも,この時期の中学生は,技術や形に注目してしまい,最も大切なパス,キャッチやノーマークシュートの重要性,攻防のコンビネーションを忘れがちになるからです。したがって,この時期は,「わずかな時間のノーマークを最大限生かすためには,正確なパス,キャッチが命だ」ということを何度も何度も言い続けます。「やったはず」「できるはず」のプレーができなかったり,忘れているのが中学生だと思います。以上が年間を通しての大まかな計画です。
試合の展開については,前述したように,私は守って速攻のできるチームを理想としているため,「いかに守れるか」が最大のポイントだと思います。このことが選手に浸透されて初めてチームのリズムが作り出され,攻守ともに波に乗れると考えます。そこで言えることは,常に相手チームの特徴をとらえ,どこをどのように守ればよいかを見抜くことが重要なのです。昨年の全国大会の決勝戦を例にとると,左腕エースの野田君という素晴らしい選手がいましたが,試合やビデオを観ていると,野田君をきつめに守ろうとすることにより,他の選手がすべて生きていることに気づきました。そのため結果的に毎試合全員得点をしていたのです。そこで相手の特徴を逆に自分たちのチームに生かすことを考えると,野田君をマークはするが8失点は覚悟し,他の選手とのコンビネーションで守る作戦を立てたのです。見事その策が的中し,リズムあるゲーム展開ができました。もちろん,試合の流れの中では相手チームのリズムの良い時もありましたが,それを上回る試合運びができたといえます。この例とは逆に,反対のケースを作戦として指示することも時にはあります。以上が,私なりの試合の展開についての工夫です。
ハンドボール競技という1つの枠を通し,いろいろな指導を各先生方がされていると思いますが,基本的にはあまり違いがあるものではないと思います。どのようなチームと試合をする時でも,相手の特徴を見抜く目を持つことが監督としての義務であり,また,選手にもそれらのことに対応できるような指導をしてやることが,とても大切な役割ではないかと考えます。
以上大まかですが,いくつかの計画や指導方法を述べてきました。各先生方を手本とし,さらに学ぶべきところはまだまだたくさんありますが,これからも納得のいくチーム作りを目指し,努力精進していきたいと思っております。
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