大きくなっていかなければ、それぞれの要素が向 上しないことを知るのである。

③ 指導に打ち込める環境を作ろう

 スポーツ指導の意義は大きいものの,日本の社会におけるスポーツ指導というのは決して恵まれているものではない。日々の活動は指導者の時間的,経済的な犠牲の上に成り立っているといってもいいであろう。
 特にハンドボールは,いまだにマイナーな地位にあり脚光を浴びることもない。このような環境にあって指導をしていくためには,まず家庭の理解,そして職場の理解を十分に求めなければならない。指導環境を作ることこそ指導者の最大の課題であり,試される能力である。

④ ハンドボール競技の知識を深めよう

 指導者のほとんどはハンドボールの経験者でろう。そして経験に応じてその知識も豊富である。 しかし,ルールや技術・戦術の成り立ち,技術とルール,技術と体力の関係,また,技術を如何に戦術としてまとめて試合に使っていくかなど,経験だけではあまりにも課題が大きいことであろう。ハンドボールの原点であるルールブックもどれほどの指導者が実際に読み,理解しているであろうか。講習会が行われる一方,トレーニングや技術書も非常に多くなっている。積極的に講習会に参加したり,書籍などの情報に触れそれを整理することによって,経験的に得たものを理論として体系化し,指導に生かしていくことが必要である。

⑤ 指導の方法を学習しよう

 指導の内容を如何にして指導していくか,ここには指導上の大きな課題がある。いくらハンドボールのことを良く知っていても,それが対象者に効率よく伝えられる必要がある。同じことを指導しても,指導の仕方によって差が出てくるもので

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