大西武三
市村志朗
今回のオリンピックでフランスの女子が準優勝の成績をおさめた。前回の世界選手権大会でオランダの躍進やノルウェーの技術戦術のすばらしさを見てきただけに、フランスはどうしてここまで勝ち上がってきたのだろうと言う疑問があった。試合結果をみると得点、失点が低いことがあり、この得点力をカバーする防御力にその要因があったことが推察される。得点力に目がうつりがちであるが、必死で失点を防いで勝ち上がってきたフランスの焦点をあってて観察してみた。
攻撃力や防御力を計る物差しとしては、得点や失点が一つの目安になる。表1、図1からロシア、ノルウェー、スウェーデンは上位3位に入る得点である。ついで失点を見てみるとフランスがダントツで20点を切っている。得点は下位から5番目で低い得点と言える。しかし決勝まで進出したのは、低い得点でありながら、失点を防ぐ防御力にあったと考えられる。
得失点差もチームの攻防力を総合的に推し量る指標になるが、表1、図2より上位から下位にいくにしたがって差が大きくなっているのは当然の結果である。上位3位であるロシア、フランス、ノルウェーは3点以上の差があり、今回上位の成績を収めたことを端的にあらわしている。 得点力がなくても、失点を防ぐ防御力があれば、勝てることを示している。
表1
図1 各チームの平均得点と失点
図2 各チームの得失点差