1.フランス女子のディフェンス

次の表は、フランスの予選リーグから決勝までの8試合のデータの平均である。シュート占有率は、各シュートの全体のシュートに占める割合である。この表から浮かび上がることは、攻撃では、ミスを少なく、シュートでは確率の高い6mに力を注ぎ、防御においては、相手に確率の低い9mシュートを打たそうと言う企てが見て取れる。シュート占有率においては、それぞれにおいて10パーセントの開きがある。リオ全ゲームの攻撃の平均から見てもそれぞれにおいて高い数字である。

ディフェンス力は、ゴールキーパーのシュート阻止力が大きな要因を占める。フランスのゴールキーパーの阻止力も極めて高く、ディフェスをより強化する要因となったことは容易に推察することができる。(フランスのゴールキーパーのシュート阻止力について)

fra-off-def-table

2.ディフェンスシステムについて(フランス対スペイン戦(延長))から

フランスはすべてのゲームに6・0を基本としているが、このゲームにおいては、後半中頃より、得点がつまらないことから、マンツーマン(一人、二人)や5・1から6・0への移行をつかっている。

6・0基本ディフェンスと予測ディフェンス

fra-予測ディフェンス

6・0では、中央4人はぶりスローラインまで詰めることを基本として、予測的なディフェンスを度々行って相手の攻撃を牽制するしている。

パスが渡る前に予測的につめを行い、パスが渡ったときには下がって基本的な位置をとって守る。

予測的な動きをともなうところにフランスのディフェンスの特徴がある。

上の例では、パスを予測してオフェンスに詰め、パスの方向を変えさせたり、オフェンスの動く方向を規制しようとしている。


ポストプレイに対してチェンジで守る

ポストを挟んだ中央2対2では、ピストンしながらチェンジプレイを行う基本プレイをしている。


中央ポストプレイに対して予測ディフェンスとチェンジで対処

fra-yisoku


左写真の例では、ポストを挟んで左右のセンターディフェンスがポストを挟んで位置している。右センターディフェンスが、予測して詰めてバックを右に追いやり、その後下がって左センターと交代して守っている。

マンツーマンディフェンス

fra-m1manto

後半半ばを過ぎても5点のビハインドが詰まらず、相手キーマンのマンツーマン追従するマンツーマンを仕掛けたが、ブレークスルーされるなど5対5を守りきれずにいた。


マンツーマンしながら5・1ディフェンスへの変化

fra-manto2

相手に退場が出て、6:5と有利になったが、マンツーマンしている相手を追従するマンツーマンでは、守りきれなかったので、今度はマンツーマンをしながらも中央に攻めてくる相手にはプレッシャーを加えるというマンツーマンをしながらも5・1のディフェンス的な動きへと切り替えた。

ダブルマンツーマン

fra-2manto

後半のこり2分でまだ、2点のビハインドのため、ダブルマンツーマンへとさらなる積極ディフェンスに出た。(左上写真)そして相手に再び退場がでたのでさらに積極的にダブルマンツーマン策をつづけ、残り24秒で追いつく。


5・1から6・0への移行

1-5-6-0

延長に入り、フランスは最初は1・5ディフェンスの位置取りをとり、相手が攻撃するに応じて6・0防御のシステムを引き、カットインを防ぐ防御態勢をしいた。


スペインは、フランスのマンツーマンに、最初のうちはカットインなど対応していたが、マンツーマン+1・5的なディフェンスやダブルマンツーマンなどで戸惑い、延長ではフランスのペースになってしまった。

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