北井晴次
ハンドボールに対する考え方には様々なものがある。またあるのが当然である。しかし重要なことは、その様々な考え方がハンドボールの発展という尺度に照らして見た場合に一体どうなのかということである。
この観点から、現在の日本のハンドボール界において早急に解決を図らなければならない第一の課題は、技術体系の明確化である。技術体系の明確化というと、すぐシュートの分類だとか各ポジションの名称の統一という発想になりがちであるが、ここでいう技術体系の明確化とはそのような意味ではない。
指導者(その下に必ず競技者〔プレイヤー〕がいるということを常に前提とする)をして、ルールブックを正しく理解させることが明確化の第一歩である。
指導者はプレーについてはルールブックをよりどころにして、様々な技術をイメージする。従って、そのプレーをルールに照合した場合、「そういうことは許されていないんだ、こういうふうに修正すべきなんだ」というように現状のあらゆるプレーについてルールヘの適否を洗い出して分析し、指導者にルールのもつ意味を自覚させるとともに共通理解を図ることが何よりも急務である。
指導者に自覚と共通理解をもたせるためには、多くのハンドボール関係者が十分に論議を尽くしてというような悠長な方法ではなくて、『組織を統括する立場』から、「このようにプレーすべきである。その根拠はこうである。」という強い指導性が発揮されるべきである。
ハンドボールをとらえる考え方は様々であっても、ハンドボールの将来を見通して、その位置づけを高めたいという観点に立った時、ルールに基づいた技術の在り方についての見解が様々であってはならない。
このように技術に対する考え方の統一を積極的に進めて行けば、日本各地で展開されるハンドボールゲームに対する評価には、当然ある一定水準以上のものが見られるようになるはずである。長い日本のハンドボールの歴史の中で、常に「課題を明確にして提示し、解決へ導こうとする組織の権威」が「無さすぎた」、というか「微力すぎたしわよせ」が、今露呈されていることを感じない訳にはいかない。
次に、この技術面と同様に早急に解決されるべき課題として審判技術の問題がある。私は選手を兼ねながら審判員として、また指導者として長くハンドボ—ルに関わって来た。特に審判員としては、国際審判員として上久保重次氏とペアを組み、数多くの試合を運営して来た。