担当平岡秀雄

テーマ3:戦術的認知能力を解明する。

練習や試合場面で選手が適切な行動をとれない事が有ります。その時の選手の誤った行動に導いた原因を考えるとき、大きく3つの原因を想定できます。1つは状況の把握がうまく出来ずに、適切な行動を取れなかった場合です。2つ目は状況把握(攻防者の位置など)を出来たが判断を誤った場合、そして3つ目に状況判断は出来たが身体的に対応できなかった場合です。

3番目の体力に関わる原因は、トレーニング課題として練習を工夫する必要が有りますが、1・2番目の原因解明は、工夫が必要でした。

方法:先取り動作の要因を解明した手法と同様に、攻防場面をVTRで記録しました。次に、画像を編集してシュートに至るまでの約5秒間より前の場面を被験者にみせ、その時の攻防者の位置をコート図に記録させました。次に、コートの選手の位置から攻撃すべき位置に大きく円を書かせました。そして、最終的にどのように展開するかを予測して図示するように指示しました。攻撃展開図は、複数回答が望ましいことも伝えました。評価基準を設定し、各選手の回答を五段階で評価しました。

結果:大学1部リーグのスタートメンバーグループは、攻防者の位置をほぼ把握し攻防展開も予測できたが、その他の選手の場合は状況をうまく把握(記入)できない場合が多く、結果として攻撃すべき位置や攻撃の展開も正しく予測できない事が明らかになった。

戦術認知能力に関する論文(Ciniiより)
   http://www.sms.u-tokai.ac.jp/publication/magazine/magazine_20.html

p7〜12に掲載

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