ロ.G・Kの跳び出し動作の開始

G・Kのシュートを止める動作は,瞬発的で鋭いものだが,その動作のこ とを図24ではシュートボール方向への跳び出しとしている。この跳び出しの動作は,シューターの手からボールが離れる瞬間(リリース)の前後になっている。そしてその幅は,それほど大きいものではない。  

リリースの後から動けば間に合わないし,リリースの前に跳び出そうと すれば,その段階では,シュートの方向やタイミングが予測されないからである。 G・Kにとって,方向やタイミングの予測ができ,しかもボールに間に合う限界が,リリースの前後ということになるのである。ここでG・Kの判断する時機というものについて考えてみよう。

ハ.G・Kの判断の時機

G・Kがシュートボールに跳び出す時機が,リリースの前後とすれば,その跳び出しの動作のしかたやタイミング,方向を判断したのはそれより前ということになる。なぜなら人間は判断と同時に動作することはできず,少なくとも反応時間というものが必要とされるからである。この反応時間は人によって,また訓練された度合によっても異なってくるが,どんなに短くなったとしても0.1秒以内にはならないとされている。

したがってG・K が跳び出しの動作を開始した0.1秒以前には,どんなG・Kでも,跳び出しに関する判断を終えていることになる。ではその判断を終えている時機のシ ューターの動作について考えてみよう。  

写真23や図24を見ればわかるように,G・Kの判断し終わる限界は,シューターのフォワードスイングの途中である。シュートの方向やタイミングがフォワードスイングの途中で正確にキャッチできるとは常識的には考えら れない。

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