現代スポーツコーチ実践講座7
シュートされる場合,シュートがゴールインする可能性の高い位置までつめる。その位置は,攻撃プレーヤーの能力によっても異なってくるが、フリースローラインがひとつの目安である(図53)。
非常に大きくて体力のあるプレーヤーなら,可能性の低い地域からでもシュートをゴールインさせることは十分に可能である。ではそこまでつめるかというと,つめの後の「下がり」を考えたとき,そこまでつめるプレーは危険性の高いものになってしまう。ディフェンスはボールを持つ相手に対してはつめ,ボールを持たないときには下がって,味方のディフェンスのヘルプや全体を見てプレーすることが要求される。
したがってボールが飛びかうごとにデイフェンスは下がったり「つめ」たりすることが要求されるわけである。それは,ピストンの動きに似ていることから,「ピストンプレー」といわれている。そのピストンのでき得る限界が, フリースローライン付近になる(図54)。だからそれより前までつめることは よほどのスピードと体力がない限りつめきれなくて,逆に相手に抜かれたり, 「下がり」きれなくてポストにパスが通ったりということになるのである。