現代スポーツコーチ実践講座7
ハンドボールの基礎技術は1対1の攻防の中に集約されているといってもよい。「ハンドボールは1対1に始まって1対1に終わる」と言われる。結局は1対1を破る力があるかどうか,また守る力があるかどうかによって技術・戦術は生きもし死にもするからである。 次に1対1を守る要領について述べる。
ボールを持つプレーヤーに対しては,相手との距離を狭め,プレーに制限 を加えることが大切である。これが「つめ」である(図52)。
1対1の技術ではこの「つめ」の技術が最も重要である。「つめ」を行うことによって,相手プレーヤーはプレーの制限と遅延を余儀なくされる。プレーの制限とは,相手が自由にプレーを選択する余裕をなくすことであり,「シュートしかできない」とか「パスしかできない」とかいうふうに,プレーが制限されることで ある。
遅延とは,次のプレーをするのが遅れることである。このプレーの制限と
遅延は味方ディフェンスの積極的な行動をディフェンス体勢の立て直しを可
能にする。