第3には選手1人1人にハンドボールをやることの意義を認識させ,誇り をもって競技生活に打ち込めるように指導していくことが挙げられる。その ためにはコーチは体験的に得られた知識のみに頼らず,科学的に裏付けられ た戦術論,技術論,トレーニング論,指導法理論などの知識を身につけて選 手の指導にあたらなければならない。

第4にはコーチは日頃からチーム構成員の相互理解を深め,好ましい人間 関係でチームの目標達成に向かって活動できるような体制作りをすることが 大切である。チーム構成員に感情的なずれや利害の対立かあっては,チーム としての活動そのものがスムーズにいかなくなる。

練習や試合の場だけではお互いを理解することは困難で,日常生活の場に おいてもチーム構成員か相互理解を深められるような配慮が必要である。 ハンドボールのようなチームスポーツの良さは,お互いの特長を生かし合 い,短所をカバーし合うところにある。選手はお互いの長所,短所を理解す ることに努めなくてはならない。

3. キャプテンの役割とその養成

スポーツ集団を指導スタッフとメンバーとに分けるとすると,メンバーの リーダーとなるのがキャプテンである。チームによっては,指導スタッフが そろっている場合とそうでない場合とかあり,キャプテンの果たすべき役割 も自ずと異なってくる。

まず指導スタッフがそろっている場合のキャプテンの役割について述べ てみよう。リーダーとしてのキャプテンの役割には目標達成の機能と集団 維持の機能の2つが考えられる。

キャプテンは,チームの目標を達成するためにメンバーの先頭に立ってチ ームの牽引車として行動し,技術の習得や向上へ向けて努力しなければなら ない。また,キャプテンはチーム内の人間関係を良好な状態に保つために,メ ンバー間の感情的な結合をはかり,集団を維持し結束させ,チームワークの 向上をはからなければならない。練習や試合の場合でも,その活動が他のプレ(次ページへ)

第5章目次へ  次のページへ 本書籍目次へ