練習課題の把握  

個人やチームの練習課題の把握は,ゲームより抽出する。課題は,ゲームを客観的に分析できる監督やコーチ,あるいは選手により把握される。その 場合,ゲームのスコアーや体力測定などの資料を参考に,より客観的な評価を加えて課題を把握する。  

次のページの表1は筑波大学男子チームの昭和57年春季り一グ戦のスコアー7試合をまとめたものである。このリーグ戦では5勝2敗であったが,通年に比べて攻撃成功率が劣っている。これは,非常に高いミス率のためである.総攻撃回数のうち,36.5%をミスに,よって,シュートできる機会を失っていることは,シュートに至る「ゆさぶり」や「突破」の段階で,パスミ スをしたり、オーバーステップをするという基本的なプレーのミスが多いということを表わしている。多くても10%台に押さえなければならないものである。  

ミスが多くなる理由としては,個人的な技術の問題と戦術の問題が考えられ,戦術的な問題では,戦術の構想の良し悪しと、戦術がものになるまで練 習ができたかという,練習量の問題に分けられる。攻撃の成功率が低いにもかかわらず上位の成績を残せたのは,シュート成功率の高さによる。  

シュートをうてる機会には,高い確率でゴールインさせていたということであり,戦術における突破の方法とシュートがうまくいっていたことが想像 できる。

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