ボールゲームを始めて間もないころは,自己中心的に物事を判断するため に,「見られている存在」であることに気がつかない。したがってフェイントの技術は発達しない。ところが上達してくると相手の予測を逆手にとって, 誤った情報を与えて相手を混乱させることができるようになる。これがフェ イントである。

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▲図6 フェイントと予測がぶつかり合う高度な対応場面  

お互いに予測力やフェイント力が備わってくると簡単にフェイントにかかったり,フェイントをかけたりできなくなる。その段階では動作のスピードなどの基礎的なことが大切になる。

フェイントは,技術の上達してくる過程に表われてくるので,上達の程度 が異なっているプレーヤーの間では,フェイントプレーはかなり有効な技術 となってくる。しかし,お互いに上達してくると,お互いにフェイントをか け合い,またフェイントにもかかりにくくなる。その段階では,動作の選択 やスピードが重要な技術のポイントとなってくる(図5・6)。

2.動作力

動作は判断の結果として表現される。よい判断をしてもそれに応じる動作 ができなければ,技術としてのかたちを見ない。

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