(1) 動作の量

ゲームのいろいろな場面に対応するためには,いろいろな動作を持ってい ることが必要である。シュート動作を例にとってみても,D・FやG・Kに対 応できる各種のシュート動作が必要である。

(2)動作の質

① 体力的側面

身体の動くスピードの大小は,対応動作であるハンドボールでは決定的な 要因である。ハンドボールにおけるスピードは,筋力的な要素が必要なので, スピード要素の強いパワーと言える。激しい動きの中で,パワーを発揮する ためには,持久力の裏づけが必要である。

② 動作の切り換えのシャープさ

鳥がバッと飛ぶような感じが,ハンドボールには必要である。パッと走っ てパッと止まる。パッと跳び上がって,パッと投げる。この動作の切り換え のシャープさは,相手に対して,時間的に空間的に優位に立つ条件である。

③ 正確さ

動作が正確にできること,また,その動作のタイミングや方向,強さが正 確にコントロールできることが必要である。

3.判断力と動作力のバランスについて

判断力と動作力がほどよく調和して発達していけばよいのであるが,どち らか一方の発達が悪いために,全体としての技術が発達しない場合がある。 「センスがある」ということがよく言われるが,これは,判断力的な側面が 非常によいプレーヤーのことを言っている。  

しかし,それもその判断についてくる動作力があるためで,動作力がなけ れば,いくらよい判断ができていてもそれは形となって現われてこない。

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