現代スポーツコーチ実践講座7
技術は,判断力とそれに応じる動作力といえるが,判断する際にその規準 となるのはハンドボールの知識・理論である。ゲーム・戦術・技術の知識を 広く,深く学ぶことによって,正しく判断できる基礎ができる。
練習やゲームで実際的に得る知識に加えて,ビデオや本,他チームのゲー ムの観察を通じて得ることのできる知識は,技術を上達させる直接的糧であ るばかりか,ハンドボールに取り組む意欲までも向上させることができる。 また,ハンドボールの知識を得るためには,広く一般の勉強を行い,常に頭を使っていることが必要である。そしてそのことは,必ず直接的・間接的に ハンドボールの知識獲得の上で役立つものである。文武両道こそ,技術獲得 の最高の道である。
何をなすべきかを決定するためには,まず今現実に何が起こっているのか, また何が起ころうとしているのかを判断することが必要である。外部からの 情報だけでなく,自分の身体がどういう状況になっているのかも,筋肉や関 節・感覚器を通して知ることが必要である。
ボールゲームの場合は眼を通して得られる情報が最大の情報であるが,他 の感覚器官もすべて動員される。その中でも聴覚や触覚は重要な働きをする。 味方の声,ボールがゴールポストやG・Kに当たる音,相手が自分に接触す ることなど,眼以外から得ることのできる情報は大きいものである。 眼についてもう少し述べてみる。
眼は心の窓と言われるが,まさにそのとおりで,眼の使い方そのもので, 心の状態を推し量ることができるものである。
よい眼というのは,①広い視野をもっている,②注目すべき情報をとらえ る,③速い動きも見のがさない眼のことである(図3)。
