2.闘争心

もともと気の弱い人と気の強い人がいるようであるが,スポーツがルール を基にした闘いである以上 闘う気持ちの強さが必要である。技術が対等で あれば,そこに優劣をつけるのは闘争心,つまり,気迫のあるなしである。 この闘争心は生まれながらの性格のひとつでもあろうが,自己に自信をつけ, ゲームに対する自己の姿勢を明確にすることによって,かなりついてくるも のである。ゲームに出ているプレーヤーの背中に,「不安」という2文字が見 えたり「弱々しさ」というものを感じるようではゲームの結果を待つまでも なく,期待することは困難である。

3.ゲームの統率

ゲームでよい成果を得るためには,1人1人のプレーが1つの目標に向かっていくように統率されていなければならない。ゲームは始まれば,プレーヤ ーの判断で進んでいく。しかし,プレーの中断時を見計らって,ベンチのコ ーチはプレーヤーに指示を与えることもできる。また交替選手を入れて,指 示を伝えることもできる。しかし何よりも大切なのはプレーヤー自体が,チ ームを統率する力を持っているか否かである。

 ゲームがエキサイトしたり,ゲーム終了前1分で1点差といったときなど ベンチの指示を適確に伝えることができないことはしばしばである。チーム 全体が動揺しているにもかかわらず,全体の状況を完全に把握し,何をなす べきかを正しく判断でき,しかもチームメイトをその方向に引っ張っていく プレーヤーがいれば,チームには非常に良い結果がもたらされる。そういう 意味で,チームはリードオフマンが絶対的に必要である。またリードオフマ ン本来の役目を遂行するためには,その指示に応えられる技術をプレーヤー は持っていなければならない。

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