チームディフェンスを行う場合の基本的な考え方は?

大試合などでは隠れた守備のファインプレーが続出していますが、それらは攻撃に比べて、評価されないことが多いのは残念なことです。それは、勝負のカギが攻撃に絞られるとしか理解できない人達が非常に多いからです。このように守備は地味で、攻撃のようにいつも表面に出ませんが、球技においては、ある時は攻撃より大切なものであることを忘れないで欲しいものです。

巧妙な守備から多くの得点が生まれていることも知る必要があります。練習でもオフェンスの繰り返しに終始することなく、勝利を決定づける原点は守備にあって、常にそこに返らなければならないことを再確認しながら行って下さい。

次のようなことを考えながら練習してみましょう。

①まず自分の守る位置の基本を忠実に。

②すべての位置での守備を一通り習得し、味方の技術の長所・短所を知る。

③ボールを持っている相手と自分の相手を同時に見える位置から次の展開を予知できるように。

④よい守備は攻撃以上に得点源でもあることを知る。

強いチームは、マンツーマンでも、ゾーンでも、またいかなるディフェンスシフトでも組織立てて、協力しながらのディフェンスを実行しています。そのためには、まず基本形として自分の守る位置を完全に研究し、それを基にして他の選手との守備の連絡を考えて行きます。それが身についたなら、自分の最も近い味方の守備から、その動く方法を理解して行います。

このような段階を経て、組織だった連係プレーをマスターしないと、いつもすぐれた攻撃には守り切れず、簡単に乱れて抜かれる結果になりかねません。基本に忠実なディフェンスは、いかなる方法をとるオフェンスに対しても、臨機応変に対応します。完壁な守備は相手に迷いを与え、ミスプレーを誘発させ、そこから攻撃に移ることができます。

(川上)

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