実戦ハンドボールQ&A
二対二や三対三の練習は、基本技術であるフェイントや パス、ドリブルあるいはディフェンスの技術などを攻防形 式の中で使いこなせる力をつけるとともに、ゲームにつな がる基礎的な攻撃、防御、コンビネーションを習得すると いう二つの課題を持っています。 個人技術や基礎的なコンビは、ゲームにつながらなけれ ば、意味をなさないものであり、練習をする場合は、ゲー ムを念頭に置いて行うべきです。そこで、注意すべき点を あげてみますと、
二対二や三対三の練習は、位置や範囲に制限を加えない と、ゲームにつながる要素が減少することになります。フ ェイントの項でも述べましたように、無制限で行えば、ゲ ームで通用しないプレーも、その練習では通用してしまう からです。例えば、二対二の場面を六対六のゲームを行う 時のポジションから抜き出すと、無数の位置のとり方がで てきます。図1で、Aの場面とBの場面では、ポジション のとり方も攻める範囲も異なってくるのです。そこで、練 習をする場面、そのねらいに応じて、どの位置でどの範囲 で行うかを決めることは大切なことになってきます。
考え方としてはディフェンスも同様で、攻撃を主にして 述べると、フリーオフェンスで、自由に個人技やコンビネ ーションを使いこなせるようにすることは大切なことです が、初期の段階においては、位置や範囲の設定の仕方によ って、ある程度のプレーのパターンを規定し、覚え込むこ とが必要になります。カットインプレー、ブロックプレー、 ポストプレーなどを有効に使いこなせるためには、まず形 式的な練習によって、カットインするタイミングとかブロ ックするタイミングなど、攻防に必要な技術を形として習 得し、その後にフリーオフェンスを行うのが、プレーを習 得する上で大切なことがらです。
プレーの開始を、ボールをキープした状態から始めるの か、あるいはパスからかなど、最初のプレーをある程度制 限することは必要なことです。例えば図2のように中央で 三対三の攻防の練習を行う場合、最初のプレーは三人のう ち誰からでも始めることができます。また開始の方法も、 ボールをキープしての状態から、スローインから、パスか らなどゲームの様相も考慮して行うことが大切です。
(大西)