キャッチした瞬間に打つクイックシュートを習得する場合に注意することは?

2-12p1

クイックには二つの要素があります。一つは通常で行うものをより動作を速くする場合で、他は余計な動作を省略する場合です。この質問の「キャッチした瞬間に打つ」というのは両方の場合をさしています。前者はクイックモーションを行うことであり、後者はボールを持っての助走やバックスイングの省略です。

肋走を省略するということはキャッチと同時にジャンプするということで、右利きのプレーヤーなら左足でキャッチをしなければなりません。

右足でキャッチすればもう一歩走らなければジャンプの踏み切り足にならないからです。パスのもらい足を左足に合わせることが、キャッチした瞬間に打つクイックシュートを成功させる第一条件になります。

バックスイングを省略するということは、バックスイングを終えた位置でキャッチしそのまま投げたり、キャッチして大きな孤を描くようなバックスイングをするより、キャッチと同時に直線的に体の前を通って上に持っていく小さなバックスイングをすることをいっています。

このような通常のものより短い助走とバックスイングを行い、さらに第一の要素であるクイックな動作でシュートを行えば、クイックシュートができあがるのです。クイックシュートは、ジャンプのシュートだけではなく、より有効なクイックとしてステップシュートに応用できます。

ボールに合わせてステップを踏み、バックスイングの終わった状態でボールを受け、そのまま手からリバウンドするかのようにシュートすることによってジャンプシュートよりよりクイックに、しかも足が地面についているだけに力強い、また変化に富むクイックが打てるのです(写真Ⅰ)。

次の二つの連続写真Ⅱ、Ⅲは、Ⅱがノーステップで合わせて打つクイックを、Ⅲはジャンプと同時に打つモーションの早いクイックを示しています。ボールが離れた後にディフェンスが跳びあがっており、モーションの早いことがわかります。

 このように、クイックシュートは、動作を省略したり、通常のスピードより、より速く行うことにより行われますが、「クイック」をより効果的にするために、シュートにはいるまでの動作、即ち助走のテンポを歩幅によって変えるなどは有効な「クイック」を作り出す基礎地となります。

2-12p2 2-12p3

 (クイックシュートの練習)

 〔練習方法1〕

0歩で合わせる練習(ジャンプシュート)。   2-12z1

図1のような隊形から、パスを0歩でもらう練習をする。0歩とは、ジャンプのキック足(左足)が着地した瞬間である。パサーは慣れるにしたがって遠くに離れる。


〔練習方法2〕バックスイング省略の練習(ステップ)。

図1と同様の隊形から、シューターはシュートのためのステップを踏みながらパスをもらう。その際、ボールなしでバックスイングを行って、バックスイングが終わったところでボールをキャッチできるようにタイミングを合わせる練習をする。

〔練習方法3〕動作そのもののスピードを早める練習。

2-12z2

図2のような隊形から、パスを早目にもらって、いくぶん通常のものより、大またのテンポのゆるい助走を行い、急激に上にジャンプすると同時にバックスイングから全力動作のシュートを行う。慣れてくればディフェンスを入れる。

             

(大西)

シュート目次へ 次ページへ