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(2)ワンドリブル

 ワンドリブルをうまく使うと,ボールを持って の行動範囲が広くなる。また,パスのタイミング を遅らせるためや,フェイントと組み合わせて用いられる。
 フェイント後にドリブルする場合には,以下の ような点に注意するとよい。

技術

①左に防御がいる場合,左足を踏み出す。

②身体でディフェンスをブロックする。

③右手前方にドリブルする。

④ボールを保持し,パスかシュートを判断する。  

未熟練者の特徴

ディフェンスの前でドリブルするケースが多 く,ボールを奪われやすい。

指導のポイント

ドリブルは,適切な場面で使うと有効な技術だ が,ややもすると味方へのパスが遅れたり,ボー ル周辺に気を取られて全体を見られなくなる。自 分でその良し悪しを判断せず,他人の意見を聞き入れよりよい選択ができるように心がける

(3)練習方法

初歩の段階

く直進〉

①20〜40mを連続ドリブルする。

②腰より低い位置でドリブルする。  

くジグザグ〉

 左右の手でボールを自由に操作する。

進んだ段階

くドリブルで速攻〉

①加速できるように前方にドリブルする。

②低いボールは腰を低くしてドリブルする。

〈1対0〉

 フェイント後ワンドリブルからシュートする。

〈1対1〉

 フェイント後ワンドリブルからシュートする。

(4)ドリブルの戦術
 〈連続ドリブル〉

 パスインターセプトやシュートブロックでボー ルを獲得した場合,1人で敵陣地に攻め込む場面 がよくある。ドリブルの走速度が遅いと,シュー ト場面でディフェンスが追いつき,プレッシャー を受けることになる。十分な練習を要する。

 〈ワンドリブル〉

 パスの時期を遅らせたり,自分の最適な行動を判断する時間を稼ぐ場合に使う。また,フェイン トのリズムを得るために使うとよい。

5.シュート

 シュート方法は,その形態から大きく3種類に 分類できる。ステップしながら利き腕と逆の足を 軸にスローするステップシュート,ランニングし ながら利き腕と同じ足を軸としてスローするラン ニングシュート,跳躍して空中でスローするジャ ンプシュートである。
 また,シュートする位置から,サイドシュート, ポストシュート,ロングシュートに分けることが できる。このほかボールに回転を与え,ループシ ュートやバウンドに変化をつけるシュート方法も ある。これらの様々なシュートを効率よく成功さ せるためには,以下のような点に注意するとよい。

(1)ステップシュート

 ステップシュートは,ディフェンスに間隙がで きた瞬間を狙う場合に有効なシュート方法であ る。そのため,ボールをキャッチする瞬間には, すでにバックスイング動作が終了していなければ ならない。つまり,ボールキャッチの位置は,一 般的な顔の位置ではなく,より後方でなければな

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