うな指導上の問題から怪我をさせることがあってはならない。子どもは転ぶとか止まることができないために,相手とぶつかるとか膝から転ぶということが起こる。転ぶ,かわす,止まるという技は,単にハンドボールの技術に結びつくものだけではなく,安全に関わる技術でもある。

⑬ 評価をする

 何ごとも評価が大事である。練習の中で良いのか悪いのかを評価し,声を掛けていくことは絶対的に必要である。観察による指導者の評価も重要だが,実施した結果を統計的に示し,客観的データで示してやることも1つの方法である。ビデオなどの映像も評価の手助けとなり,大いに利用価値がある。

⑭ 信賞必罰

 誉めるにしても叱るにしても,心に響くようなタイミングと方法がないと効果は薄い。日常茶飯事に誉め叱っていては右から左へと抜けていくようなもので,指導者にとって労力がいる割にはなんにもならないことになりがちである。小さな反省,小さな喜びも必要であるが,最も大事なのは大きな反省,大きな喜びではなかろうか。反省は心から発するようにすべきである。
 肉体的に罰を与えて反省を求めることがスポーツの世界では常套的に行われているようだが,それが心からの反省につながらず,肉体的な苦痛の回避のためだけであるならば,スポーツは教育にならない。

⑮ 指導者の態度

 立派な指導者というのは,その場所にいるだけで練習しているものに張りを与え,安心して練習に取り組ませることができるものである。チームのだらしなさや張りのなさは指導者の態度による。練習を見ている以上は,きちっとした態度で見てもらいたいものである。
 タバコを吸いながら,寝そべりながら,あるいは練習途中でいなくなるというのでは,選手が心から信頼する指導者になることは無理なことである。

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