大西武三
リオオリンピックが終了たが、IHFが公開しているデータを分析したり、ゲームを観察したりしているとずいぶんと日にちが経過してしまった。かなり分析も終わってきたことからリオのゲームをデータを示しながら振り返ってみたい。
ゲームを評価したり、分析したりするには、技術的、戦術的、体力的、また戦略的な観点から数値化したり、図式化したりああるいは記述化したりする。今回は、数値化したデータから攻防を考察し、実際のゲームをビデオによって検証しできるだけ、具体的にイメージとして理解できるような方法をとりたい。
ゲームで戦う両チームは、ほぼ同じ攻撃する機会が設けられている(攻撃回数)。その攻撃チャンスに多くの得点を得たチームが勝つことになる。この攻撃に関して、ゲームの全体を把握するには、全攻撃回数の内訳である、得点、シュートミス、ルールや技術的なミスの回数を調べることが必要である。これらのデータを基本データとしてみればゲームを概観することができる。
オリンピックといえども、チーム力には差がある。平均値、最大値、最小値をみて、オリンピックのゲームの概要をつかんでほしい。
各チームでは、ゲームでこのような基本的なデータがとれるようスコアをとっていると思われますが、世界最高レベルであるこの数値と比較し、自チームを考察する参考にして頂ければ幸いである。
30分ハーフの試合で何回の攻撃(防御)があるかを示したのが攻撃回数である。この回数は対戦する両チームの間で規則的に攻防を繰り返すことから、同数か1回の差がある。
回数の数え方としては、ボールを保持したチームがシュートしたり、ミスなどで相手ボールになるまでを1回と数える。したがって1回の攻撃の中でリバウンドなどでシュートが2回以上あったりする。IHFも攻撃回数を出しているが時々間違った数字を出している。そのような場合、今回は「Play By Play」(IHFが出している試合の時間経過にしたがった細かいデータ)によって修正した。
この攻撃回数の多少は、ゲームのテンポを測る物差しでもある。早いゲーム展開を好むチームもあれはその逆もある。相手チームもあることから攻撃回数は意図的にコントロールできるものではないが、ある程度はコントロール可能である。
この表には最終的な得点が記されている。どのような攻撃によって得点がなされかかも示され5つの項目に分類されている。(別項で記載したい)
全攻撃回数に対する得点の割合をしめしたもの(得点÷攻撃回数×100)である。攻撃の効率がこれでわかる。
全攻撃回数のうちすべてをシュートで終わり、しかも得点となるように試みるが、必ずミスが起こる。このシュートに至る前のミスを少なくすることがどのチームにとっても大きな課題である。
このミスは二つの種類がある。一つはルール上のミス(チャージなど)、もう一つは技術的なミス(パスミスなど)がある。IHFもPlay By Playでは区別し記録し、前者をtechnical fault,後者をTurn Overとしいるが、総計表ではこのミスを合計している。こではその合計した数字である。
全攻撃回数に対するミスのの割合(ミス個数÷攻撃回数×100)である。
試合における全シュート数
シュートが成功した割合(得点÷全シュート数×100)である。