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はじめに

ハンドボール競技を指導する指導者は、単に技術や戦術発揮能力の向上を目指すだけでなく、より競技力の高い選手の確保や、選手の生活環境を整備する努力なども必要とされる。このような環境下で、まず直接指導するチームの競技力の向上にその努力の大半を注ぐのであるが、ハンドボール全体の発展にも貢献出来るように努力すべきであると考える。

以上の視点から、様々な研究分野においてハンドボールの研究がなされている。コーチングの視点でも、様々な研究法を用いて発表されている。ところが、研究の多くは、形態を含む体力差、熟練者と未熟練者の技能の差、男女差、各チームの技術や戦術力差などを比較し、競技力を向上させるための課題を見出すものが大半を占めている。

医学の観点で言うと、病気の原因は分かったが、その治療法は確立されていない様なものと言える。ハンドボールの指導者は、今までに示された研究課題をどのようにして解決できるかを追求し提示することに、最大の努力をすべきと考える。この取り組みは、指導対象(大人と子供、男女、競技レベルなど)により異なるので、すべての指導者が取り組み、その成果を発表し、研究会等で妥当性を検討することが、指導法の発展に寄与するものと考える。

そこで、特に指導者が取り組むべき課題は、「研究で見出された課題を、どの様な手順で指導するのが最も効果的であるか」と言う点を明らかにすることである。有効な指導手順が示されれば、どの指導者も不必要な試行錯誤を経なくても、効率よく競技力を高めることが出来ると考えるからである。

以上のような研究は、選手という被験者と常時対峙する指導者にしかできない研究だと考える。このような研究者の「事例研究が集まり」、「分類化」されて初めて、指導の「理論として確立」されると考えられる。

<目 的>

本報告は過去の指導に於いて得た知見のうち、コーチングにとって最も重要な課題と考える、「シュート技能向上のための、指導における効果的な手順」を報告するものである。

<方 法>

シュート技能の向上は、シュートフォームの修正や体力的強化など個人的な課題だけでなく、相手や味方の動きを先取りし、最も効果的な行動を取れるようにする必要がある。そこで以下の手順で(主に高校大学生レベルを対象に)シュート指導したところ、特筆すべき効果を実感できたので、その指導理由及び指導手順を提示することとした。

<指導手順>下記段階をクリックして進んでください

以上の手順で、シュート成功の確率が高いシュート方法を身に着けさせるようにした。
注)説明は右利きプレーヤーを例に行います。

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