8 アイマーク視点調査

Nac社と交渉 

[キーワード]  注視点、先取り、着目点

1)研究課題例

・GKが運動を先取りする場合(シュートコースの予測)何処を見ているのかを明らかにする.

・指導者や選手は攻防活動の何処に着目しているのかを明らかにする.

2)分析機器

VTRカメラ(2万円から シャッター速度100コマ以上で撮影可能なもの)

         アイカメラ(ナック社製 セット価格数百万円)

3)分析画面

指導者や選手がどのような点を見ているかをみる事が出来る.

s9-z1

 図25 アイカメラ      図26 アイカメラ2 

 

s9-z2

図27 視点表示画面

(ナック社HPより)

     

4)操作手順


・実際の試合場面などでも記録できるが、攻防場面が異なると比較する際の妨げになるので、以下に示した実験
ではVTRで撮影した攻防場面をテレビに再生した.
・視点は頭部に装着したカメラ画像に表記されるので、ボールの展開位置と比較した.
・分析間隔や分析区域を設定し、ボールの移動区域とアイマークの移動区域を図にあらわした.

5)データ処理時間

分析対象画像を撮影し再生するのは、一般的な画像再生なので説明を省くが、アイマークのキャリブレーションに、各被験者ごとに30分程度を充てる必要がある.その後は実験画像を再生するだけの時間が必要となる.データの処理は1つの攻撃場面(約30秒)で10分程度を要した.もちろん、分析着目点により分析時間は増大します.

6)分析例

①古谷嘉邦、平岡秀雄ほか(1984) 体育実技指導における指導者の視点に関する実験的研究:昭和58年度科学研究費補助金(一般研究C)研究成果報告書 課題番号
57580078:13-24

目的:指導者の着目点と指導助言の内容に違いがあるかを検証した.

方法:VTRで記録された攻防場面を大型テレビで再現し、その画像のどの点にアイマークが移動するかを検証し、その際の攻防に関する指導者の助言を記録した.

結果:ハンドボールを専門種目とする指導者は、ボールが展開する先々に着目点が移動しており、時々ボールの展開先とは全く反対の位置にも着目していた.

また、助言もボールの移動先に関わるものだけでなく、その他の場所のプレーヤーにも助言がなされていた.一方、ハンドボール以外の指導者は、ボールの移動に合わせて着目点が移動しており、助言もその周りに集中していた.

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