時代に,今日ボールと考えられる道具を用いた遊び(ゲーム)か存在してい たと言うことかできる。 ところで,辞典によると“Ball" 本来の意味は, “球体,あるいは球体に 近いもの,空気を入れて膨らませたもの”ということであり, “ボールゲー ムに用いられる”ボール”という意味を有するようになるのは,ずっと後の10世紀~11 世紀頃のことである。 古代でのボール遊びは宗教的儀式として始まったと考えてよい。太陽神を 崇拝していた未開人にとって,球体のもの・球体に近いもの(=ボール)で 遊ぶということは,太陽運行を占う儀式としてたいへん重要な意味を持って いた。あるいは播種期にボール遊びを行い,ボールを高く,遠くへ投げると いうことは,食物が豊かに実ることを願う生産的祭礼儀式として重要な意味 を持っていた。 このようにして発生したボール遊び(ゲーム)は,①どんなボールを,② 何で,③どの、ようにするか, ということで,今日行われている競技スポーツ としてのボールゲームの原型となる多くのゲームを作り出すことになった。 それは大別すると,①蹴球戯系,②打(手)球戯系のものという形態をとった。

ここでおもしろいことは,文字どおり手で(mit dem Hand) 行われるゲ ームはお手球や玉曲芸などに代表される巧技的手球戯としてしか発展しなか ったことである。なぜなら,未開時代の人間の生活を考えると,手は手の延長としてのバット,スティック,ラケット(生産・狩猟道具,戦闘用具とし て)を用いることで実用に供され,文字どおり手で何かをするといえば,そ れはきわめて小筋的活動でしかなかったからである。 このようになかめてみると,今日行われているハンドボール競技は,ゲー ム形態的にその祖型をサッカー・ラグビー等に求めることかできると言える。