現代スポーツコーチ実践講座7
非常に難しい技術である。ドリブルするために手からボールが離れ,地面 からはね返って手に戻るまでの時間は,ほんの一瞬である。その間にボール の弾む位置をとらえてカットすることは,並大抵のことではない。
ドリブル する位置とタイミングの予測ができることが,カットの前提となる。
安易にカット動作に出て,失敗すれば完全に抜かれることになる。まず技 かれない体勢をつくることが先決であり,その体勢でカットに出る。
ドリブルされてからでは,カットに出ても遅い。相手のドリブルのくせを 知っておいて,カットに出る。
写真76
ボールが手から離れた瞬間に相手の進路に入り込むようにしてカットする。
ゴールからはね返るボール,キャッチやパスミスによって起こる,どちら のチームにも属さないボールは,ルーズボールである。
何事においてもそうであるが,ルーズボールが起こったときに条件反射的 にすぐ行動が開始されるように,日頃から訓練しておかなければならない。 練習のときに,ルーズボールを安易に放置してしまうために,実際のゲーム において「わかっていても行動できない」事態がよく見受けられる。
とれる場合は,1回でつかむのが大切である。相手に先んじられた場合に は,はたいてもう一度ルーズボールにしたり,味方方向ヘボールを送るとい うことも考えられるが,1回で獲得するというのがルーズボールの原則であ
る。