(2)ドリブルカット

非常に難しい技術である。ドリブルするために手からボールが離れ,地面 からはね返って手に戻るまでの時間は,ほんの一瞬である。その間にボール の弾む位置をとらえてカットすることは,並大抵のことではない。 

ドリブル する位置とタイミングの予測ができることが,カットの前提となる。  

〈カツトのしかたと注意点〉

a.相手に抜かれない体勢をとってカットに出る

安易にカット動作に出て,失敗すれば完全に抜かれることになる。まず技 かれない体勢をつくることが先決であり,その体勢でカットに出る。

b.相手のドリブルのくせを事前によく研究しておく  

ドリブルされてからでは,カットに出ても遅い。相手のドリブルのくせを 知っておいて,カットに出る。

c.カットするタイミングは,手から離れた瞬間に行う(写76)

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写真76
ボールが手から離れた瞬間に相手の進路に入り込むようにしてカットする。


(3)ルーズボールの獲得

 ゴールからはね返るボール,キャッチやパスミスによって起こる,どちら のチームにも属さないボールは,ルーズボールである。  

〈ルーズボールの獲得の注意点〉

a.ルーズボールの瞬間にすぐ動作を起こす

何事においてもそうであるが,ルーズボールが起こったときに条件反射的 にすぐ行動が開始されるように,日頃から訓練しておかなければならない。 練習のときに,ルーズボールを安易に放置してしまうために,実際のゲーム において「わかっていても行動できない」事態がよく見受けられる。

b.1回でつかむ

とれる場合は,1回でつかむのが大切である。相手に先んじられた場合に は,はたいてもう一度ルーズボールにしたり,味方方向ヘボールを送るとい うことも考えられるが,1回で獲得するというのがルーズボールの原則であ
る。

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