観衆といえば,11人制ハンドボールのことが思い浮かぶ。ハンドボールと いえば,戦前まで11人制ハンドボールが主流である。7人制ハンドボールは その陰に隠れて発展してきた。

11人制ハンドボールは,サッカーと同じ大きさのグランドでゲームが行わ れる。お互いのゴール前に帯のようになって攻防され,中盤の広いゾーンは あまり活用されない。それに比べて狭いコート全面が活用される7人制ハン ドボールは,スピードがありアクロバチックでこの上なく活動的である。

7人制に全面的に移行される前の国民体育大会の会場では,7人制のコー トは黒山の人だかりで,11人制の方は観衆はほとんどいない状態であったと いう。世界でも日本でも,11人制から7人制に切り換わる原因となったもの のひとつに,「観衆の11人制離れ」ということがあるといえる。このように観衆は,スポーツを育てる大きな原動力となっている。

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