フリースロー攻撃でのよい作戦は?

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フリースローライン内での反則で、フリースローを得た場合は、それがいかなる角度であってもシュートチャンスです。なぜならば、相手ディフェンスは、ボール保持者より三メートル以上離れていることと、動きが止まっていてオフェンスの動きによって殆んどの場合始動され展開されるからです。そのため攻撃が先手となるので、工夫を凝らせば、たとえ角度のない両サイドからでも十分チャンスはあります。

反則されても、そのままパスを繰り返すほど無能な攻撃方法はなく、なんらかの攻めのフリースローフォーメイションを創り出す必要があります。それによってディフェンス側も方法を考え、やたら反則に出ることを反省し、テクニックを持ったディフェンスを習得するように努力するだろうし、試合内容もおのずからスムースな動きをしてくると思います。具体的に次のような方法を考えてみましょう

図1〜3はフリースローのオフェンスの位置の取り方の一例ですが、種々の方法から味方選手の特徴、フリースローを得た角度、それに相手ディフェンスのつめ、身長などを考慮して最もよい戦法を選びます。

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(1)口ングシューターがそのまま打つ場合

まず基礎として、その選手が、ワンステップか、ツーステップ、それに横にかわしながら打てる技術をもっていなければなりません。写真Ⅰはワンステップでの打ち方です。十分にキックカを使い高く跳ぶことが大切です。一歩、二歩ではなかなか跳ぶことができませんが、より高いことと、そのうえクイックで打つことが要求されます。この練習は特別に時間を設け、その選手のために仝月が協力して練習しておく必要があります。

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写真Ⅰの場合はその方向に跳ぶのでディフェンスに合わされ易く工夫をしていない初心者向きの方法ですが、写真Ⅱの場合は次の段階で、ジャンプをしてから横に身体を流すので、動きの中で打つことができ、ディフェンスは合わすことが困難になります。この方法をマスターすれば、一人でもロングシュートを打てます。

(2)トリックを使う方法

ボール保持者との距離を二〜三メートル取り、ジャンプシュート体勢から次に走るロングシューターに渡しシュートを狙う方法で、最初の選手がシュート体勢に入った時、ディフェンスは集中アタックに出ます。そのため横が必ず開くことになり、楽々打つことができます。写真Ⅰの方法を取りながら意表をついて行うとより効果的です。できれば左、右の選手でやれば理想的なトリックプレーができあがると思います。

図4のように①はシュート体勢で走りジャンプパスで②に、②はそのまま横にかわしてためてシュートします。こ
の場合は②が左利きであることです。

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(3)両サイドにまわす方法

図5のように①は③にパス、③はジャンプシュートの体勢でできるだけ大きな動作をしてジャンプバックパスで⑤にパス、⑤はステップシュートモーションで△5と△6の間に入り、同様にバックパスを用いて⑥にパス、ディフェンス△6は⑤に引かれるので右サイドにオープンスペースができ⑥はノーマークシュートになります。

図6の隊形から、いろいろ変化してスカイプレーに持ち込む戦法を考えてみると、まず

この時注意しなければならないのは、全員で動き、引き付うことです。たとえば②、③はパスの後、走り込んで相手を誘い、また①からパスを受け、バックパスをして⑤は①を通すためにブロックに入るというように手のあいた選手がいてはなりません。

同様に逆まわりもできます。同じフリースロー隊形から種々展開していく方法を考え、角度のないゾーンからも、そしてパスを何度か繰り返すことで長身者のいないチームでも、フリースローチャンスを生かして一挙に攻撃すべきです。それは、動きが一時的に止まっていることで約束プレーがやり易い状態にあるからです。

(川上)

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