攻撃が中央にかたまったり、片側のサイドにかたまってしまうがその原因は?

攻撃が有利に展開するためには、コートバランスを取りながら攻撃することが必要です。コートバランスがとれているということは、攻撃がどこか一ケ所にかたまってしまうのではなく、コート全体にわたって攻められるようなプレーヤーの配置ができていることで、パスがどのように動き、またプレーヤーがどのように攻めても、サイド、ポスト、あるいはロングシュートを打てる地域にプレーヤーがいて常に攻撃体勢にあることをいっています。

どこか一ケ所でかたまってしまうということは、写真Ⅰで示すように、攻撃がかたまるのに応じてディフェンスも一ケ所にかたまってきます。攻撃する者は、そのような状態では、ノーマークを見つけることはできません。

b1-4p1

防御側は一人一人の間隔がせばまっているために、フォローもしやすく守るのが大変楽です。ところが、写真Ⅱのように全体にバランスよく攻めていると、ディフェンスの間隔も広くなり、切り込むゾーンができてくるので攻撃がしやすくなるわけです。

b1-4p2

質問でいわれるように攻撃がどこか一ケ所でかたまってしまうのは、特別の意図がない限り基本的には間違った攻撃法といえます。そこで、一ケ所にかたまる原因をあげてその対策を述べてみます。

①チームの攻撃法がどこか一ケ所に集まるようになっている。

中央ばかりにかたまっているチームの攻撃法をみていると、パスが左右四五度ディフェンスの間で行われていることが多く、サイドプレーヤーも中央に切り込んでほとんどサイドにパスがまわることがない場合に多いようです。パスはよくまわるし、プレーヤーの動きも途切れず見事だと思っても、その攻撃によってノーマークを作ることはできないのです。

中央に瞬間的、あるいは意識的にかたまってもよいが、次には、サイドを攻め込む攻撃ができなければ、チャンスをつくることは難しいのです。

②コートバランスをとる意味ととり方がわからない。

なぜコートバランスをとって攻めなければならないかという意味をよく理解しなければ、どこか一ケ所にかたまってしまう攻撃の悪さを理解することはできません。コートバランスをとる意味を理解できた時はじめて幅広く攻めることができるようになるのです。

③各ポジションを攻撃できるプレーヤーがいない。

ロングシュートが得意のプレーヤーがそろっていたり、サイドシュートが不得意なプレーヤーがそろっていると、攻撃はどうしても中央にかたまりがちになります。またそのようなプレーヤーがチームを構成していますとコートバランスがとれていても、ディフェンスが広がらないので攻めにくくなります。写真Ⅱは、それぞれの位置で攻めるプレーヤーの攻撃力が大きくゾーンで守っていたのでは守りきれないので、マンツーマン的に守らざるを得なくなっている例です。

(大西)

オフェンスの作戦・戦術目次へ 次ページへ