実戦ハンドボールQ&A
特徴を持った選手がそろっているチームであれば思い通りにフォーメイションはつくりあげられると思いますが、選手が少ないために、その選手達でできる最大限の戦法しか考えられないチームもあると思います。前者であれば理想的な机上論も通用しますが、後者は限られた方法を取らざるを得ないと思いますし、大部分のチームがこのようなことで悩んでいるものと思います。
まずフォーメイションをつくるには、すべての選手がある程度の攻撃技術(パス、フェイク、シュートなど)ができていなければなりません。できていない場合は、まず個人技術を習得することが先決です。そして次の段階では、コンビプレーをマスターすることで、それができてからフォーメイションを考えるべきです。その場合、強いチームの戦法を真似るのではなく、自分のチームでできる最も確率の高い方法を工夫してつくるべきだと思います。
たとえば、ロングシューターを生かすか、サイドポストを生かすか、というような条件によっても変わってきます。身長の低い者ばかりであるなら横パスを巧みに使うとか、左右に動かしてスカイプレーに持っていくというように、強いチームや、対戦するチームのフォーメイションを研究しながら組み立てます。そしてフォーメイションが完成したならば次のようなことを考えて下さい。
フォーメインョンは一人一人が技術的にある程度高度なプレーをマスターした時点で、初めて考えられることです。
未熟なうちに組織プレーを考え過ぎると肝心の個人技術の向上が遅れます。確実に攻めるゾーンに責任を持ち、少なくとも二個所か三個所は得意なパスかシュートで攻めたいものです。また、いつも同じように決まった選手が、そのゾーンだけを攻めているのではなく、選手の位置を替えることが効果的な練習方法の一つになります。
他の選手の攻めるゾーンを練習することによって、より一層フォーメイションの理解度は深まってくると思います。フォーメイションを決めたならば、必ずディフェンスを置いて攻撃したり、練習試合で試みることです。
(川上)