実戦ハンドボールQ&A
その選手がリードマンでロングシューターでもある場合は、その選手を抑えるなんらかの守備体制を考える必要があります。次のようなシフトでどれが適当かを考えてみましょう。
その選手が殆どの得点を取り第二エースとの実力の差があるのならば、徹底的にマンツーマンで守ります。その選手の動く通りにピッタリ合わせ、ボールの位置を確認しながら追います。そうすることによって簡単に抑えられますが、フリースローで一発を狙える選手であったり、その選手に続く第二のエースがいる場合は難しくなります。
前者の場合は不要な反則をしないように努めながら比較的不利なところまで追い込み、キーパーと連係をとりながらそこで打たせる巧みな守備をします。応々にしてマンツーマンされた選手は、精神的な迷いから少しのチャンスでも打たねばという状態になるもので、そのため離されればすぐ不利なゾーンからでも打ってくることが多いのです。
後者は、前者のようにどんなゾーンにでもマンツーマンすると五対五と完全に不利になってしまいます。第二エースがここでは完全にエースに変わってしまう危険性があるので、その選手が得意とするゾーンに入ったならばつくが、それ以外は離してマークする①の方法がよいでしょう。
次に考えられることは4−2のディフェンスシフトをとり、前の二人のいづれかがそのエースなる選手の動くゾーンを常にマークし、失点を最小限にくい止めます。
マンツーマンでポイントゲッターをマークした場合は、おのずと他の選手からの得点が多くなりますが、その選手をフリーにしておいた場合よりも得点が少なくなります。それが確信できないかぎり、この方法を用いるべきではありません。
また、常に同じ守備隊形ですと、攻撃側が慣れてくるので、ときおり守備隊形を変化させ、相手の目先を迷わせるような方法も考える必要があります。
(川上)