実戦ハンドボールQ&A
合理的な攻撃や守備を行うには、適材適所に選手を配置する必要があります。他の球技と同様にハンドボールにも攻守にはっきりした役柄があり、それに適した選手は誰であるかを知り、十分に力を発揮できるような配置を考えてやる必要があります。ここで5−1ディフェンスについて各ポジションの適性を考えてみましょう。
運動神経にすぐれ、長身で身体が柔軟で肩が強く、しかも統率力がある選手がよい。長身であることが第一条件のようにいわれますが、日本の代表的なキーパーの中には低くても成功した選手がたくさんいます。背が低くても、すばやい動きをし、特に身体に近いボールや高いコーナーへはジャンビングでクリアーするなど、小さくても機敏であればよいのです。それに、ボールを恐れず前につめられるような勇敢な性格を持っていることも必要です。
ここはディフェンスの要であり、チーム内でもハンドボールをよく理解している選手を当てたいものです。左右のロングシュートとポストプレーが多く、またある時はサイドまで動いて守備しなければならなくなります。このようにすべてのプレーヤーのカバーができなくてはならず、足がはやく、しかもロングに備えてできれば長身者がよいでしょう。また、両四五度、トップの選手に動きの指示を正確に力強くできる選手であって欲しいものです。
ロングとポストを同時に見ることのできる長身者で、すばやい動きと勇敢につめることのできる精神力を持っている選手がよいでしょう。
右四五度と同様に長身者であることが第一条件です。このポジションは、ロングシュートが最も多く打たれる場所なので、左右の動きとともにすばやくつめなければディフェンスできないため、足の早さとチームにおいて最も身長の高いものを配置したいものです。
左四五度からロングシュートを打たれる確率が高いので、速攻に備えて飛び出すチャンスが最も多いポジションです。そのため走力のある者、背は低くても先天的なスピードを持った者が適しています。
相手チームが、大型で右利きが多い場合、ロングシュートを左三五度くらいから打たれることがあります。その意味で、右サイドより身長はある方がよいと思いますが、それよりも大切な点は、速攻に出る瞬発力を持った選手で、相手のモーションに対してパスかシュートかの鋭い判断力を持っている選手がよいでしょう。
相手のパスワークを乱し、場合によってはインターセプトできるシャープな判断力と走力、それに耐久力が必要で,す。時には後に下がり、センターの役目もしなければなりません。そのため足のはやい長身選手がいいでしょう。以上のように考えますと、どのポジションでも、長身で、走るスピードのある選手ということになりますが、実際にはこのようにそろうはずがありませんので、トップと両サイドは、背は低くともスピードのある選手、センターと両四五度は長身者を、というような方法を取るべきだと思います。
一線防御にしても中心には、長身選手が理想で両サイドに は足の速い選手を配置したいが、最近の攻撃力は多彩にな りそれに応じた守備力を持ち備えなければならず、展開に 応じて、どのポジションでも臨機応変に守る技術が必要と されます。まずは1対1の練習を基本に考えどのポジション でも守れることが大切です。
(川上)