ゴールキーパーとして味方に指示を出したいが、どういうことを指示したらよいか?

ゴールキーパーは野球でいえばキャッチャーの役目と同じで、まず大声を出して全体をしめることが必要です。キーパーが声を出して指示をしないチームはまず攻守にまとまりがないといってもいい過ぎではありません。

ゴールキーパーは、監督や他のすべての選手よりも試合の流れやゲーム展開における正確な判断のできる最もよいポジションにいる訳です。したがってチャンスであったり、またピンチであった場合は、素早く察知して適切な指示を出さなければなりません。

まず守備面では、ボール中心に守り過ぎて、ボールの逆のゾーンがあいていたり、ブロックに出たディフェンスの後を次の選手がカバーしないであいていた場合など早めに声を出して指示します。常に声を出して、「そこで打つぞ!」「それは左だ!」「その選手は離してはいけない!」「その選手は余り付かなくてもいいぞ!」などと、あらゆる指示をしかも早めに出します。

ここで最も大切なのは、味方の注意のみで自分の位置の取り方、ボールの流れに対する構えなどを忘れないことです。最後にゴールされた時は、自分が悪いということをすべての選手に告げ、その後にバックスのミスがはっきり判断できる場面ならば、それを指摘してやるというような心使いが必要です。

この時にやたらフィールドプレーヤーにあたりちらすキーパーは、ムード創りについてはまず失格です。失点の時なんといっても必要なのは、明るい雰囲気を創ることです。そのような思いやりと同時に、あるところでは非常に厳しく気合いを入れて、チーム全体をひき締める必要があります。

攻撃についても同じで、自分達が試合を目指して、常日頃練習した攻撃のパターンを全然出さないでいる場合、だそうとしてはいるが誰かがそれを守っていないような時などにすかさず指示してやるといったようなことも必要です。

注意する場面は自分の守備位置にいて、しかも余裕のある時が最もよいでしょう。選手の中には、やたらに声を出して不利にしているキーパーを見かけますが、不要なことはいわず、自分のチームの有利になる点だけを簡単にわかりやすく指示します。

(川上)

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